16.一本刀土俵入り
作詞:高月ことば
作曲:村沢良介
男度胸の 人生を
土俵ひとすじ 生きてゆく
おれは角力の 鬼になる
想い出すまい 故郷のことは
晴れて錦を 飾るまで
「姐さん…わしはあんたのような親切な人に出逢った
のは生まれて初めてだ 姐さんのご恩を忘れぬため
に わしが出世して幕内に入ろうが三役になろうが
横綱を張るまでは どんな事があっても
駒形茂兵エで押し通します」
利根の川風 身に沁みて
つくり笑いの 日を送る
繻子のだるまは 七転び
八起き浮世も 捨てばちなれど
花の情けは まだ枯れぬ
「お鳶さん…達者で何よりでござんした
十年前は一方ならねえ お世話になって… あの時
約束したように大手を振って姐さんの前に出られた
義理じゃござんせんが一目だけでも 無事な姿を見た
上で お礼の言葉を云いてえと恥をしのんで尋ねて
まいりやした… 姐さん…想い出しておくんなすっ
たか十年前の取手の宿のあびこやで くし かんざ
しに きんちゃくぐるみ恵んで貰った姐さんに
見ていただく これが駒形茂兵エの しがねえ姿の
しがねえ姿の…土俵入りでござんす」
化粧まわしは 夢の夢
今は素袷 三度笠
西に東に 渡り鳥
誰に見せよか 駒形茂兵エ
一本刀の 土俵入り
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